高気圧酸素治療とは?
高気圧酸素治療装置の中に入り、大気圧より高い気圧環境の中で酸素を吸入することにより病態の改善を図ろうとする治療です。
酸素は、私たちの生命活動にとって必要不可欠なものです。高い気圧環境の中で酸素を吸入すると、通常の大気圧下での呼吸で得られる酸素量に対して、10~20倍にまで体内に酸素を取り込むことができます。体内で取り込まれた大量の酸素は、手足の先端までいきわたり、あらゆる低酸素状態の改善を図ります。
当院では100%酸素を使用し、装置内を2気圧まで加圧して治療を行います。
主な効果
●体内酸素量の増加により、生体内の循環障害・低酸素状態の改善効果
●酸素の抗菌作用を利用し、細菌の発育を阻害する抗菌効果
●生体内にできた気体を圧縮・再溶解することによる抹消循環の改善効果
●血管新生や組織修復、組織の腫れを軽減させる効果
高気圧酸素治療への適応
高気圧酸素治療は、以下のような疾患に適応されております。
治療効果については個人差はありますが、継続することでその効果は維持されます。
治療は通常1日1回です。治療回数は適応疾患や症状によって担当医が判断します。
少ない場合は7回~10回、多いときは20回~30回程度になります。
対象疾患 | 目的 | 担当科 |
脳梗塞 | 脳梗塞後のQOL改善・リハ患者のもう1段回復 | 脳神経内科・脳神経外科・リハビリ科 |
重症頭部外傷後、開頭術後の意識障害、脳浮腫 | 脳神経外科 | |
突発性難聴 | 早期治療効果向上 | 耳鼻咽喉科 |
網膜動脈閉塞症 | 視力回復 | 眼科 |
頭蓋内膿瘍 | 脳神経外科 | |
腸閉塞 | 消化器外科・消化器内科 | |
重症熱傷・凍傷 | 形成外科・皮膚科・外科 | |
難治性潰瘍(褥瘡・下肢潰瘍) | 難治性褥瘡・下肢潰瘍の治癒促進支援 | 皮膚科・形成外科。・訪問治療 |
重度糖尿病性壊疽 | 創傷治癒促進・細菌感染防止・切断回避 | 糖尿病内科・形成外科・整形外科 |
壊死性筋膜炎 | 整形外科 | |
急性動脈閉塞症 | 虚血肢救済・救肢率向上 | 循環器内科・血管外科 |
コンパートメント症候群・圧挫症候群 | 救急科・整形外科・スポーツドクター | |
重症低酸素脳症 | 救急科・脳神経内科・脳神経外科・リハビリ科 | |
放射線、抗癌剤と併用される悪性腫瘍 | 悪性腫瘍再発抑制 | 癌を扱う各科 |
放射線障害による組織障害 | 壊死・潰瘍の修復促進 | 放射線科・歯科口腔外科 |
皮膚移植後の虚血性障害 | 移植片生着率向上 | 形成外科・皮膚科 |
脊髄神経疾患 | 脊髄損傷後の二次損傷予防 | 整形外科・脳神経外科 |
骨髄炎 | 歯科口腔外科 |